認知症対応力向上研修会(福岡県歯科医師会)へ参加してきました。

こんにちは!院長の倉田です。

先日、歯科医師会主催の認知症対応力向上研修会に参加してきました。

認知症は、私のような訪問のみならず、外来診療だけ行う歯科医師にとっても避けてはいられない課題だと思います。

私は、訪問診療を始めた頃は、認知症のグループホームや認知症専門の病棟へ行くことが多かったです。

わりと重度の方ばかりで、どうして差し上げたら良いのかいつも悩んでいました。

それでも、入れ歯を使ってご飯を食べて欲しいという家族からの訴えがあれば、義歯を作製していました。

今のように勉強会もなかったし、手法みたいなものもなかったので、いつも手探りで治療していました。

ある精神科の認知症病棟で総義歯を作製したおばあちゃんがいました。

痛いところもなくなり、上手に食事されるとのことだったので、月1回診ていました。

毎週行くのですが、予定がなくても私を探して来られるようになりました。

病棟の中の少し広いところで診療をしていたので、私たちが来たかどうかはすぐにわかります。

最初は痛いところがあるのかと思い気にしていましたが、そういうわけではなく、全く邪魔ではないところで私たちをただみているだけ。

最初は看護師さんがすぐ前にあるお部屋に連れて行こうとされていましたが、すごく抵抗されるし、無理やり連れていってもらってもまたすぐに戻って来られるのです。

そのうち、そのおばあちゃんが邪魔にならないところで座っているのが普通になりました。

発語もないし、表情もほとんどないのですが、こんにちは、さよなら、またねとご挨拶する時には笑顔になられるのです。

認知症の研修とかに行くと、この時のおばあちゃんのことを思い出します。

攻撃的なところもなければ、動きもせずただ私が他の方の治療をしているのをただ見ていらしただけ。

改めて認知症のかたちはいろいろあるなと思っています。

高齢化社会なので認知症の方は増えていくと思います。

私たち医療人は最新の関わり方を学んでいきたいと思います。