食の大切さを改めて感じています。(摂食嚥下障害の改善が認められた時の喜び)
こんにちは!院長の倉田です。
身内の話になりますが、義父を昨年秋に転居させて、すぐ近くのサービス付き高齢者向け住宅に入居させました。近くにいるので食事を届けるようになりました。
昨年5月頃までは自立で、昨年の確定申告も自分でしていた位元気でした。
夏に入る頃から食事を食べられなくなり、認知障害も急激に進みました。携帯も使えなくなり、いろいろなことに対する興味もなくなってしまいました。
ケアハウスという自立した高齢の方々が暮らすところに居住していましたが、毎日入浴していたのにそれも難しくなり、着替えもできないし、会話もしないので声もほとんど出せなくなりました。
義父の好きなものを届けて冷蔵庫に入れても、次に行った時にも全く食べておらず、施設の食事にもほとんど手をつけていないとの事でみるみるうちに痩せていきました。
どうにかしなくてはいけないと、入院しても特に異常は見つからないし、入院食にも一切手をつけないので、体重は減るばかりでした。
退院させて施設に戻っても生活はできなかったので、義父をなんとか説得して毎日会えるところを探して転居させたのです。
慣れるまではいろいろありましたが、それより息子が毎日来てくれて世話してくれることが何より嬉しい様子でした。
私や娘と食事に行くことも、すごく喜んでくれました。
義父は歯科で言うところの摂食嚥下障害で、水やお茶でもむせるため目が離せませんでした。とろみのついたお茶にして、食事でも汁物にはとろみをつけていました。
義父は偏食気味なのですが、うちが作ったものはなんでも食べてくれるようになり、そのうち声にもはりがでてきて、むせることもどんどん減ってきました。
これ食べれるかな?と思うような季節のものも食べてくれるので、三か月後には20㎏減った体重も6kg増えてできることが増えてきました。
笑顔も増えて、お水にとろみをつけなくても飲めるし、開くことすらできなくなっていた携帯も自分で電話したり、Lineもすることが出来ています。生活に活気が出てきたのです。
歯科医師な摂食嚥下予防とか、悪化を防ぐことは考えますが、まさか身内でここまで改善する症例に出会うとは思いませんでした。
やはり食なのだと思います。美味しいという気持ちが目覚めたら会話にもつながるし、介護サービスを利用して孤独に食事をとることもなくなって、最近は歌を歌ったり、ハーモニカを吹いたりしているようです。
介護サービスを全く利用していなかったところから、三か月でこんなに有効的に利用できていることもあまり見ません。
90歳という年齢もあるので、もの忘れが少なくなるとか、そこまでは望めないのですが、会話の受け答えができて、介護している家族の顔は理解していてくれたらそれだけで十分だと思います。
春は季節のものがたくさんあるので、先日も土筆の卵とじと、蕾菜の和え物を美味しいと食べてくれたそうです。
根底に食の大切さを改めて感じているのでこれから、筍、蕨など食べてもらいたいなと思います。
